外来環(歯科外来診療環境体制加算)の認定を受けました。
この度、『歯科外来診療環境体制』の施設基準が整った医療機関として国から認められましたのでご報告いたします。
歯科外来診療環境体制 とは
『歯科外来診療環境体制』とは、歯科診療時の偶発症など緊急時の対応及び感染症対策としての装置・器具の設置などの取り組みを行い、厚生労働大臣が定める施設基準に適合していて、地方社会保険事務局長に届けを出している保険医療機関のみが認められます。これは患者様がより安心・安全に歯科診療を受けられる環境の整備を図る取り組みに対する国からの評価と言えます。
歯科外来診療環境体制加算に関する施設基準
- 「偶発症に対する緊急時の対応、医療事故、感染症対策等の医療安全対策に係る研修」を修了した常勤の歯科医師が1名以上配置されていること。
- 歯科衛生士が1名以上配置されていること。
- 患者にとって安心で安全な歯科医療環境の提供を行うにつき次の十分な装置・器具等を有していること。
A 自動体外式除細動器(AED)
B 経皮的酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター)
C 酸素(人工呼吸・酸素吸入用のもの)
D 血圧計
E 救急蘇生セット(薬剤を含む)
F 歯科用吸引装置
- 診療における偶発症等緊急時に円滑な対応ができるよう、別の保険医療機関との事前の連携体制が確保されていること。
- 口腔内で使用する歯科医療機器等について、患者ごとの交換や、専用の機器を用いた洗浄・滅菌処理を徹底する等十分な感染症対策を講じていること。
- 感染症患者に対する歯科診療について、ユニットの確保等を含めた診療体制を常時確保していること。
- 歯科用吸引装置等により、歯科ユニット毎に歯牙の切削や義歯の調整、歯の被せ物の調整時等に飛散する細かな物質を吸収できる環境を確保していること。
- 当該保険医療機関の見やすい場所に、緊急時における連携保険医療機関との連携方法やその対応および当該医療機関で取り組んでいる院内感染防止対策等、歯科診療に係る医療安全管理対策を実施している旨の院内掲示を行っていること。
「偶発症に対する緊急時の対応、医療事故、感染症対策等の医療安全対策に係る研修」の内容
【目的】
- 歯科医療の特性を踏まえ、患者にとってより安全で安心できる歯科外来診療の環境整備を図る。
- 高齢者の在宅等における療養を歯科医療面から支援するための体制の確保を図る。
【内容】
- 高齢者の心身の特性、口腔機能の管理について
- 高齢者に対する緊急時の対応について(AED等の機器の操作方法を含む)
- 偶発症に対する緊急時の対応について(AED等の機器の操作方法を含む)
- 感染症対策について
- 医療事故について
施設基準を満たした歯科医院がまだまだ少ないのが現状
東京都には10578医療機関があります(平成28年2月1日現在)が、 歯科外来環境体制の施設基準を満たしているのは884医療機関程度で、取得割合はまだほんの8.36%程度です。今後も施設基準を満たした医療機関がどんどん増え、多くの患者様がより安心・安全に歯科診療を受けられる環境になることを願っています。